私たちは、人から優しさ、
愛情を受けることで
真の喜びを感じることができると
痛感しました。

細川雄史 さん(大学3年生)

  • 滞在地: 奈良県明日香村
  • 体験したお仕事: 地域フォーラム開催・運営のアシスタント
  • 主な交流内容: 世界遺産で座禅体験を行うツアー

「ふるさとワーキングホリデー」に参加した理由

地域活性化に関心があり、将来は何かしらの形でそういったことに携わりたいと考えていた矢先、偶然Facebookでふるさとワーキングホリデーの記事を見たので、良い機会だと思い参加しました。

旅行業界に関心があり、また、旅行会社のワークショップに参加した時に、社員の方から、「旅行というツールを通じて、「地域交流事業」を行っています。」、といったお話を聞き、すごく共感し、自分もそういう仕事に就きたいと思うようになりました。そのお話を聞いて以来、まずは大学生のうちに地方に足を運んで自分の五感で現状を把握することが必要だと考えていました。そう考えていたところ、「ふるさとワーキングホリデー」と出会い、迷わず参加を決断しました。

「ふるさとワーキングホリデー」に参加した感想

受入団体は、商工会の一室が仕事場で、従業員の方が5名の小さなところでした。はじめてお伺いしたときは、想像していたより小さなところで少々困惑もしました。ですが、小さいがゆえに大変温かく迎えてくださって、まるで家族のように接してくださいました。よそ者の私に対してこんなにも温かく接することができる従業員の方々に触れて、長い東京生活で忘れてしまっていた人間の本来の心の豊かさに気づくことができました。また、商工会の一部であること、民家ステイの修学旅行の仲介を行っていることから、大変多くの地元の方が事務所に訪れていました。そうした方々ともお話させていただけたことも大変貴重な時間となりました。最も印象的だったのは、定食屋さんのおばあちゃんが、初めて来た私に対して、おにぎりとたくあんのサービスをしてくださったことです。人生で初めての経験で、このことは一生忘れることはできません。奈良県で暮らしている間は何度もお伺いさせていただきました。

最終日には従業員の方々から寄せ書きと手土産をいただきました。帰りのバスで読んだときは涙をこらえきれませんでした。必ずまた明日香村に戻りたいと思いました。

東京と違い、村全体がまるで一つの家族のようなつながりを持っている明日香村での生活は、都会では味わえない心の豊かさを感じることができました。東京の方が確かに物的に豊かですが、人の生活は目に見えるモノだけで満たされるわけではないと気づき、しがらみの多い都会の生活に疲れた人の心の安らぎが日本の地方にはあるのだとわかりました。

「ふるさとワーキングホリデー」を通じて学んだこと

明日香村は、修学旅行先として日本各地から中高生が訪れます。すなわち、日本人からの知名度は比較的高い方だと思います。その一方で、明日香村も観光客の集客には苦戦している部分がまだまだたくさんあります。少子高齢化、地方の過疎化が深刻化している中、何とか打開策を見出さなくてはいけない状況にあるということを肌で感じました。また、それはおそらく明日香村に留まらず、日本中の地方公共団体も同じなのだと思います。

少しでも多くの地方公共団体と都会の人々とをつなぐ「交流」を実現することが、地方公共団体のみならず、一人一人の心の豊かさを充足できると学びました。

また、近年は技術の進歩により、ロボットや機械が人間の代わりをする時代がやってきました。確かに少子高齢化による労働人口の減少に対する労働力不足の解消としての効果は絶大で、間違いなく今後もそういった先端技術が人間生活に入ってくることでしょう。これ自体に文句は全くなく、技術の進歩は我々の日常生活をより快適にすることでしょう。しかし、それらの先端技術に「ココロ」は存在しません。奈良の定食屋のおばあちゃんの定食が私は何よりも好きでした。それは、ただ安くておいしいからではありません。おばあちゃんのやさしさが定食を介して伝わってきたからです。コンビニエンスストアのランチもおいしいですが、それとは確実に違いました。私たちは、人から優しさ、愛情を受けることで真の喜びを感じることができると痛感しました。

参加を考えている方は是非!!!!!!

参加者の割合としては、おそらく都市圏出身者の参加が多いと思います。都会での暮らしと地域での暮らしはまるで違います。風景、利便性、騒々しさ、物価など、多くの相違点があります。それは現代ではインターネットで検索すればすぐにわかります。しかし、私の意見としては、それはわかったとは言えないと思います。写真、文章にはにおいがありません、手触りもありません。それではわかったとは言えないと思います。五感を全部使うことで初めて真にわかったと言えるでしょう。これから参加する予定の皆さんには、大学生活の時間のあるうちにぜひ体感してほしいと思います。特に都心で絶対就職すると考えている方にはぜひともお勧めしたいと思います。おそらく価値観が変わると思います。そのうえで、都心に就職すると決めても遅くはないと思います。ぜひ今後の視野を、選択肢を広げてみてください。