自分の経験と知識を地域課題解決に活かす

渡邉 果奈さん(大学院 修士1年)

  • 滞在地: 北海道浦河町
  • 体験したお仕事: 高校生の授業補助など
  • 主な交流内容: コラム執筆や勉強会での発表

今回の求人内容について教えてください

学校・職場:東京農工大学大学院 修士1年
受入先団体名:北海道浦河町
実施時期:8月21日~9月3日
滞在期間:2週間

業務内容:
高校生の授業補助や、地元の方と関わることによる「地域課題解決型ふるさとワーキングホリデー」
・北海道浦河高校の総合学習の授業(SDGsに関する内容)において、授業補助及びグループ作業への助言
・とんがりロード(浦河町、様似町、広尾町及び、えりも町)に実際に行き、コラムの作成
・浦河観光協会が主催している町民向けの勉強会にて、ふるさとワーキングホリデーについての発表

勤務時間:9:00-17:00(授業開始時間によって変動)
賃金:時給900円
勤務先:浦河観光協会(北海道浦河郡浦河町大通2丁目27番地)
宿泊先:ゲストハウスまさご

今回ふるさとワーキングホリデーに参加したきっかけを教えてください。

「地域課題解決型」のふるさとワーキングホリデーというめずらしい形態に惹かれました。そして、SDGsに関する授業の補助ということで、私は大学から環境化学をしているため、自分が学んできたことを活かす良い機会になるのではないか、と考えたことが参加する動機になりました。

期間中はどんなお仕事をされましたか。

メインのお仕事は、北海道浦河高校の総合学習の授業のサポートでした。高校生たちは班に分かれてSDGsに関する課題研究に取り組み、独自に設定したグローバルなテーマについて研究し、自分たちができる解決方法を考察します。私は、海やエネルギーなど環境に関するテーマを選択した班を担当し、外部講師として相談に乗ったり指導したりしました。
高校生とも先生とも違う目線から論理的に教えることを意識し、自分の経験や知識を絡めつつ助言しました。私は環境化学を専攻しているため大学の授業が特に役立ちました。また、公害防止管理者の資格知識や、旅行や以前参加したふるさとワーホリの経験も活かすことができました。そのため、「私」が行った価値があったのではないかと思います。私にとっても、今まで誰かに教えるといった経験は乏しかったので、とても良い経験となりました。

そして、浦河観光協会でのお仕事としては、とんがりロード(浦河町、様似町、広尾町及び、えりも町)に関するコラムの作成や、町民向けの勉強会にてふるさとワーキングホリデーについての発表を行いました。実際に他の3町に連れて行っていただき、“よそ者目線“からみた町についてということで、コラムを執筆させていただきました。一般的に”日高地方“と括られている地域それぞれの特徴を見ることができました。

地域ならではの魅力を教えてください。

1つ目は、馬についてです。浦河町は、馬産地、特にサラブレッドの産地として有名な町です。少し歩けば柵内で放牧された馬に遭遇しました。また、乗馬体験をさせていただきました!

2つ目は、浦河町の星空についてです。浦河観光協会の方に、とっても素敵な写真を撮っていただきました☆ 肉眼でも天の川を見ることができました。
同じタイミングでふるさとワーホリに参加していた仲間たちと3人で撮っていただきました。一生の宝物です!

3つ目は、浦河グルメについてです。浦河町の特産品としては、日高昆布や夏イチゴ、イカがあります。ちょうど昆布漁の季節だったので、晴れた日には昆布漁の様子や、昆布を干している光景を見ることができました。お土産としてたくさん買いました!
次に、夏イチゴについてです。今回、すずあかねという夏イチゴを栽培している加藤農園さんにもお邪魔しました。ここでは、食品ロスをなくすために、規格外のイチゴを加工用として色々なところに卸しているそうで、町内の様々なところで加藤農園さんのイチゴを用いた商品に出会いました。例えば、ぱんぱかぱんというパン屋さんではスムージーやババロアとして販売されていました。スムージーを私は3回もリピートしました。
最後に、イカについてです。夕方に揚がったばかりのイカを夕飯で食べる、というなんとも贅沢な体験をしました。内臓=生臭い、というイメージがあったのですが、新鮮だとこんなに美味しいのか!と感動しました。浦河町に来てから何回も話に聞いていた、新鮮で透明なイカを食べることができて幸せでした。

4つ目は、宿泊施設についてです。 2週間の宿泊先としてお世話になったのが、ゲストハウスまさごです。とっても楽しいところでした!この一言に尽きます。初日から、他の参加者やお客さんと一緒に共有スペースで飲みました。誰でもウェルカムな雰囲気がとても好きです。社長の大久保さんは、銭湯とラーメン屋も経営していて、このゲストハウスももとは銭湯の一部だったそうです。浦河のことをとても考えていて、この町にあった方がいいものを考え、実践している方です。私たちのことも気にかけてくれて、シマエナガがよく見えるスポットや、化石があるスポットに連れて行ってくださいました。

また、銭湯では、地元の方が気さくに話しかけてくださったのが嬉しかったです。「こんばんは」や「おやすみなさい」と、よそ者の私にも挨拶してくださって、内輪感がありながらもよそ者を積極的に受け入れてくれる雰囲気がとても心地よかったです。素敵な空間でした。

観光ではなく滞在し働くことで、どのような体験、地域の魅力を発見しましたか。

浦河町のワーキングホリデーでは、町内案内や歓迎会、乗馬体験など、町について教えていただける機会が多かったです。そして、いろんな方を紹介していただいて、たくさんの方と関わることができました。その中で思ったのは、浦河町をより良くするために動いている方がたくさんいるということです。また、様々な経歴を持った方とお話しして、いかに自分の視野が狭いのかを実感しました。私も、浦河町で出会った人生の先輩方について行けるくらいのたくさんの経験をして、成長したいと思いました。