
旅行だけではわからない魅力を伝えて、移住にもつなげていく
自治体・団体: 沖縄県
平成30年度から令和年度までの6年間で、沖縄ふるさとワーキングホリデーに参加した176人中、なんと42人が移住しています!
さすがは人気の移住地、沖縄ですね。
移住だけでなく、多拠点生活のひとつとして定期的な行き来を繰り返す人、旅行で再訪する人など、ふるさとワーキングホリデーの実施は確実に関係人口・交流人口の拡大に貢献しています。
そこには、もちろん自治体の努力があります。
まず、参加者の理解促進や不安解消を図るために、ズームを活用して週2回の相談会を実施し、募集段階から丁寧なマッチングを行っています。
また、大学ではオンライン授業、職場ではリモートワークが導入されている社会情勢を鑑みて、ワーキングホリデーでの仕事に携わる日を週3〜4日程度に限定して、オンラインでの受講や、現在の仕事をリモートワークで続けながら参加できる制度を一部で取り入れています。
先輩移住者等がナビゲーターとして相談に乗ったり、地域での交流や暮らし方をサポートしたりする取り組みもあり、参加者が安心してワーキングホリデーに参加できるようにさまざまな配慮を行っています。
沖縄のワーキングホリデー受け入れ地域は、本島から離島まで範囲が広く、職種も、観光・ホテル業、飲食店、販売業、農業・漁業、ものづくり、福祉、医療、保育など多種多様です。沖縄にしかない自然環境のなかで、仕事を体験し、地域の人たちと交流しながら、仕事や暮らしについてじっくり考えてみるのもいいのではないでしょうか。
沖縄の魅力は、何度か旅行するだけでは体験しきれないものです。
たとえば沖縄には、本島のほかに38の有人島を含む691の島があり、島ごとに違った魅力があります。
また、3つの国立公園があり、北から「やんばる国立公園」「慶良間(けらま)諸島国立公園」「西表石垣(いりおもていしがき)国立公園」と、それぞれ個性的です。
やんばる国立公園には広大な亜熱帯照葉樹林が広がり、山の自然と海の自然を満喫できる、沖縄のなかでも貴重な場所です。やんばるにのみ生息・生育している固有動植物の宝庫でもあります。
慶良間諸島国立公園は大小30あまりの島々と岩礁からなり、慶良間ブルーと呼ばれる美しい海で楽しむダイビングやシュノーケリング、冬はホエールウォッチングでも人気です。
西表石垣国立公園は日本最南端にある国立公園で、国内最大規模のマングローブ林や、サンゴ礁、原生林に近い亜熱帯照葉樹林など、活力に満ちた自然と、そのなかで育まれてきた伝統的な沖縄の暮らしが印象深いエリアです。
沖縄県は人気の観光地ですが、県では、旅行するだけではわからない沖縄の魅力や、県民性なども含めた沖縄らしさを、もっと多くの人に伝えられるよう情報発信していきたいと考えています。そのために、ふるさとワーキングホリデーの制度はとても効果的です。
「もちろん大変な部分もありますが、ワーキングホリデーに参加した人が実際に移住してくれくれたときなどは、大きなやりがいを感じます」と企画部地域・離島課の渡慶次さんはいいます。
まだふるさとワーキングホリデーを導入したことのない自治体は、検討してみてはいかがでしょうか?