宮城県涌谷町は、日本の歴史に刻まれた特別な町です。この地は日本で初めて金を産出し、奈良東大寺の大仏様の鍍金用の金として献上され、その完成へと導いた記念すべき場所。産金を喜んだ聖武天皇が、当時の元号を天平から天平感宝へと改元するほどの国家的一大事が起こった、まさに歴史のターニングポイントとなった土地なのです。
驚くべきことに、その奈良東大寺の大仏様に使用された砂金が、現在でも自然の沢で採集することができます。ふるさとワーキングホリデーに参加いただいた皆さんにも、この貴重な砂金採り体験に挑戦していただいており、歴史のロマンを肌で感じることができる、他では決して味わえない特別な体験となっています。

涌谷町は農業が非常に盛んな土地でもあります。巧みな水管理により世界農業遺産にも認定されている大崎耕土の東側に位置し、その肥沃な土壌を活かした稲作を中心として発展してきました。施設園芸作物(パイプハウス)としてネギ類やニラ、ほうれん草、花卉類が栽培され、花卉類の栽培技術を生かして、日本初の産金の歴史にちなんだ「黄金レモン」などの特産品を栽培する生産者もいます。また、循環型農業を取り入れた酪農など、多彩で革新的な農業が展開されているのが特徴です。


涌谷町でのふるさとワーキングホリデーでは、農家・農業法人での就労を通じて、日本の食を支える農業の生産現場を体験することができます。稲作やネギ、ニラ、花卉、果実、酪農など、町内の複数の生産者のもとで、多様な農業に触れることができるのが魅力です。

ただ働くだけではありません。涌谷町ならではの分け隔てなく受け入れてくれる生産者のもとで、助け合いながら農業作業をすることによって、人と人のつながりの大切さを深く実感していただけます。農業の苦労やその苦労の上に成り立つ日本の食といった実情を知ると同時に、生産者との心の交流を通じて、自分自身を改めて見つめ直す機会にもなるでしょう。

涌谷町のふるさとワーキングホリデーの大きな特色のひとつが、夜の交流プログラムです。企画運営する地域おこし協力隊が呼びかけ、参加者の拠点となるゲストハウス「あんだあも」に、就労先の生産者や若者を中心とした地域住民が夜な夜な集まり、自炊をしながらの交流を深めていきます。この温かな雰囲気の中で、「ただいま」「おかえり」と言い合える関係性づくりを体験していただけるのです。
就労先の生産者は家族経営や地元住民の雇用が中心で、比較的中高年層が多い状況です。そのような中に20~30代の若者が農作業現場に加わることで、新鮮な気持ちで農業に向き合う参加者の姿から、生産者の方々も元気を分けてもらい、自分たちを見つめ直すきっかけや新たな気づきを得られる体験になっています。
また、真夏の「とうもろこし巨大迷路」という涌谷町ならではのユニークなイベント現場では、さまざまな業種・世代の方々が集い運営されており、その中でもふるさとワーキングホリデーの参加者たちが一生懸命に携わっている姿から、地域の皆さんも刺激を受けている様子です。
ゲストハウスでの夜な夜なの交流会も、日に日にお開きの時間が遅くなっていき、親睦が深まっていく様子が印象的です。参加者同士はもちろん、地域住民との間にも本当の家族のような絆が生まれていきます。
令和7年度に初めてふるさとワーキングホリデーを導入したばかりの涌谷町では、初回で好評だった就労先の生産者や地域住民との自炊をしながらの夜な夜な交流会や、日本初の産金地で体験できる自然の沢での砂金採り体験など、涌谷町だからこその特別な体験をさらに磨き上げ、充実させていく予定です。
キャッチコピーとして掲げている「人とつながる」を最重要要素として、一人でも多くの参加者に何度でも訪れてみたいと思っていただけるように、将来的には移住先として検討していただけるように、最高で最幸なふるさとワーキングホリデーを提供することを目指しています。
ふるさとワーキングホリデーにかかわった地域住民たちは、「ただいま」といって再び涌谷町を訪れてくれる参加者たちに「おかえり」と言える日を心から楽しみに待ち望んでいます。


日本の歴史が始まった特別な地で、豊かな農業体験と温かな人々との出会い、そして砂金採りという他では絶対に体験できない貴重な経験。涌谷町で、あなたも一生の思い出となる特別なワーキングホリデーを体験してみませんか。きっと「また帰ってきたい」と思える、第二のふるさとになることでしょう。