地域の魅力紹介

鹿児島県瀬戸内町のキャッチコピーは「唄と海でゆらう町 満天の星が降りそそぐ町」。奄美大島の南西端部と加計呂麻島・請島・与路島の有人離島から成るこの町は、町内に海峡(大島海峡)がある珍しい地形を有する特別な場所です。令和6年度の環境省『夜空の明るさ調査』で、瀬戸内町の星空が日本一にも認定されました。

美しい海は瀬戸内町最大の魅力であり、その透明度の高さと豊かな海洋生態系は、一度見た人の心を永遠に捉えて離しません。大島海峡を舞台に開催される「奄美シーカヤックマラソンin加計呂麻島大会」は、夏の風物詩として全国的にも知られており、海と一体となって楽しむマリンスポーツの魅力を存分に味わうことができます。

瀬戸内町は南国フルーツの宝庫でもあります。夏はフルーツの最盛期を迎え、皇室献上品として知られるパッションフルーツをはじめ、ドラゴンフルーツ、マンゴー、冬にはたんかんなどの柑橘類が収穫されます。黒糖や、さとうきびの搾りかすを発酵させた「きび酢」なども特産品として有名で、島の豊かな恵みを活かした食文化が息づいています。

また、島唄や八月踊り、諸鈍シバヤ(国指定重要無形民俗文化財)、油井の豊年踊り(鹿児島県指定無形民俗文化財)など、島の伝統文化を受け継ぐ活動も大切にしており、古くから続く文化の継承と現代の暮らしが美しく調和しています。

瀬戸内町のふるさとワーキングホリデーでは、島ならではの多彩な職種での体験が可能です。一次産業では、果樹栽培が盛んで、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツ、マンゴー、たんかんなどの柑橘類の栽培に携わることができます。さとうきび栽培から黒糖製造までを行う製糖工場での体験も魅力的で、多くが家業や個人経営として営まれているため、より身近に生産者の想いに触れることができます。

漁業では、真珠やマグロの養殖業が行われており、海に囲まれた島ならではの漁業体験が可能です。二次産業では、公共インフラ整備を担う建設業が重要な役割を果たしており、島の生活基盤を支える仕事を体験することができます。

三次産業では、美しい海を活かしたマリンレジャーや宿泊業が盛んで、観光業の現場で働きながら島の魅力を発信する仕事に携わることができます。さらに、高齢化の進展に伴い、介護・医療分野の人材需要も高まっており、地域に必要とされる福祉の現場での体験も可能です。役場職員など、地域運営に携わる職種も多く見られ、島の未来づくりに関わることもできます。

瀬戸内町のワーキングホリデーの大きな特徴は、観光では地域の表面的な魅力しか触れられないのに対し、「滞在し働く」ことで、人々の暮らしや人柄に直接触れ、より深く地域を知ることができることです。現地での仕事を通じて、その土地で必要とされていることや課題を理解できるほか、複数の仕事や活動を組み合わせて行う”マルチワーカー”としての働き方も経験できます。

このような経験は、仕事や活動の幅を広げ、地域の方との交流によってコミュニケーション能力も向上させてくれます。時には短期間でも居心地の良さを感じ、第二のふるさとと呼べるような関係性を築けることもあります。

瀬戸内町のワーキングホリデー企画は昨年度が初開催でした。応募段階からターゲット像(ペルソナ)を明確にし、オンライン面接、事業者や滞在先との顔合わせを丁寧に行ったため、大きなミスマッチはありませんでした。一部、季節や体力面で想定と異なると感じた参加者もいましたが、地域の方々の温かい協力もあり、全体としては大盛況のうちに終了しました。