地域の魅力紹介

三重県南伊勢町は、町面積の約6割が伊勢志摩国立公園に指定され、太平洋を望む美しいリアス海岸を有する風光明媚な町です。漁業や農業など一次産業が特に盛んで、海と山の恵みに支えられた豊かな暮らしが息づいています。新鮮な魚介類や柑橘類など、地元で採れる豊富な食材は、伊勢志摩地域の食文化を彩る魅力のひとつです。

町内にあるいくつもの展望台からは、複雑に入り組んだ海岸線の美しい造形を眺めることができ、なかでも「恋人の聖地」に認定された見江島展望台では、ハート型の入り江と満天の星空が訪れる人々を魅了します。養殖やまき網漁業で船が行き交う漁港の風景や、みかん畑で働く人々、豊漁や無病息災を願う祭りに集う住民たちの姿など、日々の営みがこの町ならではの美しい景色を形づくっています。

南伊勢町では、空き家バンク制度や子育て応援による移住・定住支援、ふるさとワーキングホリデーや学生インターンの受け入れなど、「関係人口」創出に向けた持続可能な地域づくりも積極的に進められています。美しい自然環境を守りながら、次世代につながる地域づくりに取り組んでいるのです。

南伊勢町のふるさとワーキングホリデーでは、多彩な職種での体験が可能です。町内では、三重県下一の水揚げを誇る奈屋浦漁港を拠点に水産業が盛んで、まき網漁や真鯛・マグロ・カキ・あおさ・真珠などの養殖が行われています。農業では、みかんを中心に米、いちご、野菜などを栽培しており、これらの一次産業の現場で実際に働くことができます。

また、シーカヤックや釣り堀などの自然体験を提供する観光サービス業、水産卸売業、水産加工業、製塩業、さらにキャンプ場や民宿などの宿泊業も営まれており、海と山の恵みを活かした実に多様な職種が存在しています。

南伊勢町は、美しい海と山に囲まれた小さな港町ですが、人口減少や担い手不足という課題も抱えています。だからこそ、ふるさとワーキングホリデーでは、観光客ではなく”地域の仲間”として滞在し、漁業・農業・地域のお店やミッションに参加することを大切にしています。

働く中で、自然と共生する暮らし方や、地域を支える技術と知恵を学ぶことができます。現場での挑戦や人との交流を通して、地域の魅力や課題の背景を深く知り、解決に向けたアイデアや行動につなげる機会となるのです。ここで得られるのはスキルだけでなく、第二のふるさとと呼べる絆と、社会に貢献する実感です。

地域外からの参加者との交流は、南伊勢町の事業者や住民にとって大きな刺激となっています。参加者は、漁業・農業・商工業など現場の仕事を手伝うだけでなく、地域が抱える課題や将来像について主体的に意見や提案をしてくれます。事業者からは「日々の業務に追われて考えられなかった将来の方向性を一緒に考えてくれたことが何よりありがたかった」という声も多く聞かれています。

また、参加者の新しい視点や発想が、地域の商品やサービスの改善、イベントの企画などに活かされる場面も増えています。住民同士の交流会では、世代や地域を超えてつながりが生まれ、外から来た人を温かく受け入れる文化が育まれています。こうした交流は、仕事以上の価値をもたらし、地域に希望や行動のきっかけを与えているのです。

実際に、参加者は地域課題に主体的に関わり、地域は新たな視点と活気を得るという好循環が生まれています。単なる労働力の提供を超えた、真のパートナーシップが築かれているのが南伊勢町の特徴です。

新たな受け入れでは、地域交流の機会を大幅に増やす工夫をしています。地元の事業者や住民との顔合わせや交流会を複数回設け、参加者が早い段階で町の人々と打ち解けられるよう配慮しています。また、他の地域で地域課題の解決に取り組む大学生との交流もスケジュールに組み込み、異なる地域での挑戦や成果を共有し合う場を作っています。

これにより、参加者は南伊勢町の課題だけでなく、日本各地の地域づくりの現場を知り、自分の関わり方をより具体的に描くことができます。さらに、滞在後も継続的に関係を持てるよう、オンラインでの振り返りや情報共有の仕組みも検討中です。

南伊勢町が目指しているのは、単なる「短期滞在の手伝い」にとどまらず、参加者が将来的に何度も訪れ、仲間として関われる関係づくりです。伊勢志摩国立公園の美しい自然に囲まれながら、地域の人々と深いつながりを築き、社会貢献の実感を得られる特別な体験が待っています。

リアス海岸の絶景と豊かな海の幸、温かな人々のつながりの中で、あなたも地域の仲間として新しい可能性を発見してみませんか。きっと、第二のふるさとと呼べる特別な場所になることでしょう。