自治体・団体の声

自然や産業資源に恵まれた市をワーキングホリデーで活性化!

自治体・団体: 北海道釧路市

釧路市は、2005年に当時の釧路市・阿寒町・音別町が合併して現在の形になりました。日本最大の湿原が広がる「釧路湿原国立公園」と、火山・湖・天然林が原始風景を織り成す「阿寒摩周国立公園」の2つの国立公園がある、世界的にもめずしい豊かな自然に恵まれた地域です。
一方で、国際物流拠点となる釧路港があり、釧路港を中心に工業地帯が広がる、都市の顔も持っています。また、たんちょう釧路空港を玄関口として、多くの観光客が訪れる観光都市でもあります。(写真は釧路湿原展望台)

第一次産業では、広い土地を活かして、酪農を含めた農業全般が盛んです。再び海に目を向けると、釧路で獲れる魚は味の良さで他と一線を画し、「釧魚(せんぎょ)」と呼ばれています。さらに近年は、藻場を作って海藻を育て、温暖化の原因である炭素を海藻に取り込ませる「ブルーカーボン」の取り組みも注目されています。
このように多くの資源に恵まれた釧路市ですが、人口減少に抗うことは簡単ではありません。より多くの人を市に招き入れる必要があり、その窓口の一つとなるのがワーキングホリデー(くしろお試しワーキングホリデー)です。

現在、ワーキングホリデー受け入れ先の職種としては、IT企業での営業・システムエンジニアのサポート、自動車メーカーでの自動車整備のアシスタント、ワインブドウの栽培管理・収穫、牧場の手伝い・子牛の哺育などがあります。
ワーキングホリデーをきっかけに、移住やUIJターン就職を希望する人がいれば、釧路市では、「移住支援金」や「UIJターン支援金」によるバックアップ体制を整えています。
また、釧路市内で働く人の経済的負担軽減を目的に、協力企業とタイアップした奨学金の返済支援も行っています。
UIJターンについては、UIJターン就職を希望して求職者登録をした人と、企業とのマッチングを釧路市商業労政課がサポートします。「UIJターン支援金」は、釧路市内の企業に就業または起業することを目的として釧路に転入した人を対象とし、1人あたり30万円の支援金を交付するもの。いくつかの条件がありますが、ワーキングホリデーに参加した人に対しては年齢制限を設けないこととしています。

ワーキングホリデー実施の効果について、総合政策部市⺠協働推進課の⻘木さんは次のように話します。
「今まで釧路市を知らない・来訪したことがなかった人に対するプロモーションを図ることができましたし、地域との継続的な関わりが見込めそうな人材の発掘を行うことができています。体験終了後も釧路市を訪れてくれる人がいて、今後、移住・定住に進展する働きもあると思います」
ワーキングホリデーに参加した人の笑顔を見れば、その言葉にうなずけます。冬のワカサギ釣りや、釧路港の岸壁で地元の魚介を豪快に炭火焼きして食べる「岸壁炉ばた」、ご当地グルメの「スパカツ」など、釧路での生活の魅力はまだまだたくさんあります。

ワーキングホリデー体験者ではありませんが、UIJターン就職マッチングを利用してUターン就職した人からは、こんな声が聞かれました。
「十数年過ごした東京での満員電車通勤から解放され、自然に囲まれて、仕事帰りに趣味の釣りを楽しむなど充実した生活を送っています。今は、地方だからこそできることがあると感じています」
今後は、ワーキングホリデーを体験した人の口コミなどをきっかけに、より多くの人が釧路市を訪れるようになること、そして、ワーキングホリデーを通して釧路市の過ごしやすさ・魅力にふれることが移住や定住につながり、市の活性化につながっていくことが期待されます。