自治体・団体の声

関係人口の創出にも、移住促進にも実績を上げる

自治体・団体: 高知県香南市

香南市は、高知県の中心から少し東にあります。海、川、山がある恵まれた自然環境とともに、高知龍馬空港から車で約8分・高知市内から約35分という都市部からの近さも魅力の、暮らしやすいまちです。地元では、「ちょっといなか」をもじって、『ちょいなか』と呼ぶこともあります。
近年、香南市はあるスポットが注目を集めています。2002年に、夜須町の手結港(ていこう)入り口に架けられた可動橋です。船舶の通行のために可動式にしている橋は全国にいくつかありますが、片側だけを跳ね上げる形式のものはめずらしく、その印象的な光景がテレビCMなどでも話題になりました。こんなふうに「ちょっとした自慢」があることも、暮らしやすさにつながっているかもしれません。
もちろん、市の南に広がる太平洋も魅力の一つ。海の公園「ヤ・シィパーク」は、地元の人にも観光客にも人気のレジャースポットです。

自慢の特産品には、みかん、ニラをはじめとする、季節ごとの野菜や果物がたくさんあります。香南市は県内有数の温州みかんの産地で、とくに香我美町山北で生産される「山北みかん」は、高知県⺠から広く愛されているブランドみかんです。そして、ハウス栽培をいち早く導入し、露地栽培とともに周年生産をしているニラは、全国一の生産量!また、ブドウ栽培には適さないといわれていたこの地で、土地に合ったブドウを栽培することから始めた本格的ワイナリーもあります。
このように、気候の特性と人々の努力によって発展してきた農業を、地域外の人や多くの若者を巻き込んで継続させていくために、市ではさまざまな支援や取り組みを行っています。ワーキングホリデーもその一つ。これまでに、山北みかんの収穫・出荷作業や、ブドウの収穫・ワイン醸造補助などの仕事でワーキングホリデーを受け入れています。

ワーキングホリデーを実施した効果について、業務委託を受けた株式会社山北みらいの担当者・阿部さんは次のように話します。
「ワーキングホリデーを体験した人は、嬉しいことに、体験終了後も引き続き『山北みかん』を宣伝してくれています。なかには、東京でのイベント開催時に販売員として手伝いに来てくれる人もいますから、確実に関係人口の創出につながっています」
関係人口とは、地域外にいながら、その地域と継続的に多様な関り方をする人の数のこと。地域づくりの担い手となることが期待されます。
また、ワーキングホリデーを経て、香南市への移住・就農を決意し、地域おこし協力隊(農業研修生)として着任した人もいます。ワーキングホリデーが移住促進という点でも実績を上げているのです。
今後は、ワーキングホリデーを継続的に受け入れることによって、全国各地に香南市の関係人口を増やしていきたいと阿部さんは言います。
「その中から、香南市に移住し、地域での独立就農、または当社での雇用就農等の形で山北みかん産地の維持・発展に貢献してくれる人材を発掘していきたいですね」と阿部さん。
「ワーキングホリデーは関係人口の創出という点でも、移住促進のためにも、非常に有用な取り組みだと思います。地域の魅力を全国に広げたい、移住者を増やしたいと考えている自治体は、ぜひ検討されることをお勧めします」と笑顔で語ってくれました。