美瑛の雄大な景観や冬の寒さ
岡本 宇弘さん(大学4年生)
- 滞在地: 北海道美瑛町
- 体験したお仕事: 丘のまちびえいDMOでの業務サポート(道の駅での観光商品の企画・実施、SNS運用、ウェブサイトの英訳等)
- 主な交流内容: 丘の町びえい宮様国際スキーマラソン
いつ、どちらに、どのくらいの期間、行かれましたか?
2019年1月下旬から2月中旬までの約3週間:道の駅での観光商品の企画・実施、SNS運用、ウェブサイトの英訳を行いました。
経験してよかったことは?
農業、観光業、行政のそれぞれの分野で、高い意識と大きな情熱をもって、美瑛をより魅力的な町にしようと取り組まれていた数多くの方々と出会えたこと。農業分野では、数千万円単位の設備投資を戦略的に行いながら、高い品質と収穫量で圧倒的な成果を残し、観光だけではない美瑛の魅力を見せてくれた方々。観光分野では、美瑛の雄大な景観や冬の寒さを活かし、美瑛ならではの体験型の観光の新境地を開拓された方々やDMO(観光地域づくり法人)の方々。行政分野では、観光が時に農業生産の妨げにもなるという課題に対し、農業と観光のバランスを追求しながら、第一線の公務員として町の発展に尽力された美瑛町役場の方々。そういった方々が、美瑛を愛するという共通の思いを胸に、時にぶつかりながら協力し合う現場に入り込むことができた経験は、約3週間美瑛に住み込み、仕事を(極々わずかながら)お手伝いさせて頂けたからこそ、得られた経験でした。
将来の就職などに影響したことは?
当時は大学4年の最後の春休みで、国際協力機構(JICA)に就職することが決まっていました。JICAで開発途上国のための仕事をする前に、まずはその拠り所として「日本」についてより深く知っておきたいという思いがありましたが、美瑛町という、東京などの都市部や、本州の「地方」とは全く異なる土地を知ることができました。この経験のおかげで、途上国政府の関係者に対し、より多様な日本の姿を、説得力をもって説明できるようになったと感じます。
また、美瑛の農家の方、観光業の方、行政の方、それぞれの分野で魅力的な方々から、誇りをもって仕事をするというのはどのようなことなのか、就職を間近に控えるタイミングで学ぶことができました。
楽しかったことは?
ほぼ毎日、美味しい夕食やお酒を囲みながら、業種を超えた地元の様々な魅力的な方々の仕事のお話を伺うことができたこと。約3週間、毎日のように新しい出会いに恵まれたのは、Yahoo Japan(当時)から美瑛町役場・DMOに出向されていた佐竹さんという方の美瑛町での人脈があったためです。佐竹さんの快活な人柄と推進力によって、農業、観光業、行政等の垣根を超え、美瑛の関係者が問題意識を共有し、一緒になって様々な問題に取り組まれていった様子を拝見できたことも、特に良い経験でした。就職して4年目となる今、佐竹さんは私が職業人として模範とし、高い目標とする方の一人です。
驚いたことは?
美瑛町は北海道のなかでも最も寒い地域であり、ふるさとワーホリのタイミングもまさに真冬の時期だったため、冬の寒さと、雪国ならではの過ごし方には驚くことばかりでした。また、美瑛に魅せられた東京からのリピーターが多いことも驚きの一つでした。羽田空港から旭川空港までは1時間半、旭川空港から美瑛町市街地は30分足らずという近さ。日本の「地方」は閉ざされているという先入観を持っていた私にとって、美瑛を共通項とした多くの社会人と交流できた経験は、とても新鮮でした。
現地での思い出は?
「経験してよかったこと」「楽しかったこと」とも重複しますが、美瑛の魅力あふれる方と数多く関われたことはとても良い経験でした。ワーホリの最後の時期に参加させて頂いた「丘の町びえい宮様国際スキーマラソン」(日本有数のクロスカントリーの大会)の準備では、美瑛町役場の方々が中心に、町中の農家の方々、観光業の方々が一丸となって、地元の一大イベントの成功のために取り組まれていました。その様子から、立場は違ってもみな地元を愛しているということが実感でき、とても印象深い思い出となりました。
今後の思いは?
ふるさとワーホリの期間は、ただ学ばせて頂くばかりであったので、早く仕事で成果を出し、美瑛町に還元したいと考えています。私が働くJICA内では、日本の地域の魅力を存分に引き出し、開発途上国との価値の共創に貢献できないかという検討が進んでおり、私自身もそのワーキンググループの末席におります。美瑛での体験と、そこで感じた美瑛の魅力・課題を常に念頭におきながら、JICAでの検討に付加価値をつけていきたいと思います。