迷っているのなら
とりあえず行ってみることが大切だと思います。
自分を振り返るチャンスにもなるし、
そこから得る学びが必ずあるはずです。

木村英里 さん(大学3年生)

  • 滞在地: 山口県阿武町
  • 体験したお仕事: ほうれん草農家でのお手伝い
  • 主な交流内容: 地元小学校での「プチ教育実習」

「ふるさとワーキングホリデー」に参加した理由

私は現在、東京都の小学校教員を目指しています。もし教員となった際に、都心の生活しか経験していない私が農業のことや日本のことについて授業をしても何も説得力がないように思われました。都会ではできないような生活をすることで、自分の経験を増やし、さらに、何か子どもたちに繋げていけることがあれば良いと思い、今回参加しようと決めました。

山口県を選んだ理由としては、2点あります。1点目は、行ったことがない県、また、なかなか行く機会がないと思われるところに行こうと思ったこと、2点目は、何か一つでも教育と関連していることが学べれば良いと思い、交流イベントに小学校見学があり、吉田松陰先生の教えを賜ろうと、山口県萩市周辺で希望を出しました。

「ふるさとワーキングホリデー」に参加した感想

ここまで充実した日々を送ったことはありませんでした。見知らぬ土地に一人ぼっちで乗り込み、たった2週間ではありますが、心が折れそうになったらどうしようか、と不安な気持ちで初めは過ごしていました。しかし、阿武町の皆さんが温かく迎えてくださり、毎日楽しく過ごすことができました。就業では、初めに立てた自分の目標の「丁寧に効率よく成果を出す」ことを念頭におき、作業を行いました。初めての農作業だったため、初めはわからないことや上手くいかないこともあり、また同じ作業を無心で黙々と行っていくため、終わりが見えないように感じられることもありましたが、辛いとは一切感じませんでした。

ふるさとワーキングホリデーで最も素晴らしい体験だと感じたことは、小学校での交流でした。全校児童15名の小学校で、複式学級の中で児童たちがどのように生活をしているのかにとても興味がありました。3日間を通して、優しく素直な児童たちと、きめ細やかに指導を行う先生方の姿を見て、自分もこのような児童を育てたいし、児童と良い信頼関係が築ける教員になりたい、と強く感じました。他にも、行政の方や民宿・民泊先の方々、地域に住む組合長から若手の方までが本当に良く接してくださり、縁もゆかりもない地が自分の故郷のように感じられました。この人たちにまた会えるように自分も頑張らなきゃいけない、と感じられる場所でした。

「ふるさとワーキングホリデー」を通じて学んだこと

大きく分けて2つあります。1つ目は「生き方の選択肢を増やすには経験が必要であること」、2つ目は「自分は人との関わりの中で生きていること」です。1つ目について、ちょうど私がふるさとワーキングホリデーに行っている間に就職活動が解禁されました。東京の友達がSNS等で毎日スーツで頑張っている連絡を受けて、「自分が今こんなことをしていていいのか。」と焦りも覚えましたが、同時に「何故会社に勤める選択肢のみなのだろう。」と疑問に思いました。確かに幼いころから、自分もどこかの会社に勤めてお給料で生活していくことを”普通”であると考えていました。しかしながら、第一次産業を全く見ずに就職を決めてしまうのは勿体ないように感じます。もしかしたら、触れていなかっただけで「自分は企業じゃなくてこちらの方が合う!」と感じる人もいるように思います。生き方の選択肢を増やしていくためにも、様々な経験をすることが大事だと感じました。

2つ目については、東京生まれ・育ちであるため故郷が無いように感じてしまいます。災害やテロ等もそうですが、自分の心身等にも何かあったら逃げられる場所が必要だと感じました。帰る場所や心安らぐ場所を、私はふるさとワーキングホリデーを通して見つけることができました。「人の優しさや温かさ」などと言葉を並べると凄く胡散臭く感じてしまいますが、実は本当に大切なことはそこに返ってくると今回気づき、自分が人との関わりの中で生きていることを実感することができました。

参加を考えている方は是非!!!!!!

迷っているのならとりあえず行ってみることが大切だと思います。自分を振り返るチャンスにもなるし、そこから得る学びが必ずあるはずです。日本国内でも、自分の知らない世界がこんなにあることを知ることができ、また、知らなくてはいけないこともたくさんあると思います。滅多にないチャンスだと思いますので、積極的な参加をお勧めします。