地域の魅力紹介

岐阜県関市

 

刀鍛冶から現代の刃物へ……伝統と近代工業、自然と産業が共存するまち

 

関市は岐阜県の中央部、そして日本のほぼ真ん中に位置します。古くから東西文化の要衝として栄え、この地に関所が置かれたことが「関」の地名の由来といわれています。

関といえば、まず何といっても、「刃物のまち」。約700年前、鎌倉時代に良質な土と水、炭を求めて刀鍛冶が関に移り住んだことから日本刀づくりが始まり、その伝統が現在の刃物づくりに活かされています。
包丁、ナイフ、ハサミ、爪切りなどの刃物製品出荷額は全国1位。その技術は海外にも広く知られ、「世界三大刃物産地」の一つとされています。ちなみに、三大産地とは、ドイツのゾーリンゲン(Solingen)、イギリスのシェフィールド(Sheffield)、日本の関(Seki)で、「3S」とも呼ばれています。
観光案内所や刃物工房もある複合施設『せきてらす』や、『関鍛冶伝承館』は、刃物の歴史にふれ、展示や体験も楽しむことができる関市ならではの魅力あるスポットです。

さらに古く、1000年以上の伝統が受け継がれているものもあります。清流長良川で行われる「小瀬鵜飼」の鵜飼漁は、国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統技術です。夜の静寂のなか、篝火を付けた船が静かに川を下り、装束を着けた鵜匠が鵜を巧みに操るさまは幻想的で、古い絵巻物のなかに引き込まれていくような経験ができます。

近年は、新しい観光スポットも話題となっています。長良川はもともと透明度の高い美しい川として知られていますが、その支流である板取川の、さらに息を飲むような透明感がSNSなどで注目されるようになりました。
板取地域には、クロード・モネの名画「睡蓮」がそのまま現実世界に現れたような通称「モネの池」もあり、新たな観光客を呼び込んでいます。

そんな関市でのワーキングホリデーは、刃物の直売所や体験コーナー、鵜飼観光船の受付やキャンプ場などでの業務、農作業の手伝いなど、関市らしさにふれることのできるさまざまな職種があります。
体験者に、関市のワーキングホリデーに参加しようと思った理由を聞くと、「刀剣のことを詳しく知りたかったから」「パッションフルーツの露地栽培に携わりたかった」など、関市の文化や産業への興味がきっかけだった人が少なくありません。

ワーキングホリデーの休日には、自然のなかへ出かけたり、長良川鉄道に乗ったり、おいしいものを食べたり、地域の人とふれ合って関市への熱い思いを聞いたり……と、楽しく充実した時間を過ごせている様子。体験期間は約2週間ですが、観光だけではわからない、小さな魅力をいろいろ発見できるのではないでしょうか。

美濃市を挟むようにしてVの字の形をしている関市は、Vの付け根部分にあたる南側に中心街があり、北側に豊かな自然が広がっています。まちと自然とがバランスよく共存していることが関市の魅力のひとつだといいます。
山や川などの自然が好きな人にとっても、「田舎暮らしは不安」という人にとっても暮らしやすいまちなのです。
また、歴史と伝統が香る風土と、新しい技術を積極的に取り入れる気風も共存しています。新しさを取り入れる姿勢は、パッションフルーツの露地栽培や、広い分野での製造業——自動車関連部品、機械器具、金属製品等——にも見られます。
まだまだある関市の魅力を、ぜひあなたも発見してみてください。