「ひだか」と聞くと、「日高昆布」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。北海道南部の太平洋沿岸に広がる新ひだか町は、“出汁によし、食べてよし”の日高昆布の産地。昆布漁が行われる7月~9月には、前浜一面に昆布が天日干しされ、その光景は町の風物詩となっています。
海の恵みとともに、広い大地と、日高山脈に源を発する豊かな水に恵まれた新ひだか町では、農業も盛んです。また、新ひだか町は知る人ぞ知る日本屈指のサラブレッドの産地。馬を愛する人たちがいきいきと働き、乗馬体験のできる施設等があり、引退した有名馬との再会を楽しみに訪れる人も多い「馬の町」でもあります。
町には、さまざまな特産品があります。まず、日高昆布、毛ガニ、春ウニなどの海産物。そして、“涼夏少雪の郷”と呼ばれる暮らしやすい気候(夏は30°Cを越える日がほとんどなく、冬の降雪量は多くても20cm程度)を活かして、野菜や花が栽培され、牛も元気に育てられています。町自慢の野菜は、アスパラガスや、独自ブランドのミニトマト「太陽の瞳」など。涼やかな青い花・デルフィニウムは全国トップクラスの出荷量を誇ります。ブランド黒毛和牛「みついし牛」は、東京を中心に出荷されており、ふるさと納税の返礼品としても人気です。
ただし、農業は、繁忙期に人手不足になることが悩みの種。そこで町では、移住体験と農業体験をセットにした「農業ワーキングホリデー」を開始しました。
移住を視野に入れながら、ここでの生活を体験したいという人のために、町は、家具・家電付きの体験住宅で一定期間暮らせる“ちょっと暮らし体験”を実施しています。その“ちょっと暮らし体験”に、農業アルバイトを組み合わせたものが「農業ワーキングホリデー」です。
たとえばミニトマト農家では、収穫や葉かき、片付けなどの仕事をします。
町の担当者は、「農業の苦労を体験して、食べ物の尊さを再認識したり、自然と向き合って、体を動かして汗をかくことで得られるシンプルな疲労感をぜひ体験してください」と話します。そして、「地方では人とコミュニケーションしないと生活できません。好奇心を持って自分から人と関わることにチャレンジしてほしい」と言います。
町では毎月1回、移住者交流会「午後カフェ」を開催しています。サークル活動やイベントも盛んに行われているので、積極的に関わりたいのなら、地域の人たちと交流できる機会はたくさんあります! もとからの地域住民、移住した人、移住を考えている人など、いろいろな人と話してみるのもいいでしょう。
町営の乗馬施設「ライディングヒルズ静内」で乗馬レッスンを受けるのもおすすめです。
広々とした環境での乗馬は、日常では味わえない貴重な体験になるでしょう。
町には大型スーパーや量販店があり、飲食店も建ち並んでいるため、移住してきた人の感想の中には、「買い物は不自由なくできて、自然とのほどよい距離がいい」といった声もあります。それでももちろん、都会の暮らしとは異なります。「都会の利便性を補う、生活の知恵や、当たり前の助け合いがあることを発見してください」と担当者。そんな発見を楽しみながら生活したい人、農業に興味のある人、体を動かす仕事をしたい人、とにかく北海道が好き!という人などなど、ピンとくるものがあったら、新ひだか町で新しい生活にチャレンジしてみませんか?