地域の魅力紹介

長野県 伊那市
森と人の持続可能な暮らし、そして50年先の未来を考える。

長野県の南部に位置する伊那市は、南アルプスと中央アルプスの雄大な山々に抱かれた自然豊かなまちです。3000m級の山ながら登山初心者にも人気で、高山植物や野生動物の宝庫である仙丈ヶ岳や東駒ヶ岳(甲斐駒ヶ岳)、ハイキングやBBQを楽しめる守屋山や入笠山などの里山、パノラマの星空が眺められるキャンプ場、マウンテンバイクやパラグライダーといったアクティビティを体験できるアウトドア施設も市内にあり、非日常的な自然体験を求めて市外からもたくさんの人が訪れます。

長野県、いわゆる信州。「信州そば」も伊那市が誇る名物です。その「信州そばの発祥の地」と言われいるのが実はここ伊那市。「高遠(たかとお)そば」や「行者(ぎょうじゃ)そば」などの名で、そば文化が生活に根付いています。辛味大根の絞り汁をベースにした「辛つゆ」で食べるのが伝統。そば処ごとに工夫が凝らされ、秋に開かれるそば祭りは大勢の人で賑わいます。

市域の82%以上を森林が占めており、木を伐る人から、製材する人、加工する人、使う人までもが一つのまちで暮らしていることがこの地域のアイデンティティです。伊那市では、50年先の未来に向けて、森と人とがより身近にある暮らし、森と人の循環的な暮らしを推進すべく、2016年、「伊那市50年の森林(もり)ビジョン」を策定しました。現在も「ソーシャルフォレストリー都市(森林の利活用が市民参加で進められる都市)」を目指し、様々な取組が行われています。たとえば、産まれた赤ちゃんに木のおもちゃをプレゼントしたり、学校で木育や伐採体験などを行ったり、たき火を囲むイベントやマルシェなどを開いたり。また、木質バイオマスの生産や自然エネルギーの活用にも力を入れています。

ふるさとワーキングホリデーでのお仕事は、山村集落の防災マップや立体地図などを制作するコンサルティング会社でのサポートスタッフ、花卉農家のお手伝いや体験型農園での接客イベント補助など。ふるさとワーキングホリデーの担当者は「農業や林業等に従事する人の目線を通して、伊那市の気候や風土の魅力をさらに深く感じてもらえたら」と話します。伊那市周辺の寒暖差のある気候によって、花が色鮮やかに開き、農産物の甘みや旨味も増していくのだそう。

山でのレジャーや名物のそばに加えて、「天下第一の桜」と評される高遠城址公園の桜や、高遠町を中心に点在する江戸時代の石工「高遠石工」の作品、とりわけ「高遠石工」の稀代の名工と称される守屋貞治による建福寺の石仏など、観光資源も豊富。「見たり、聞いたり、感じたり、食べたりすることで得た様々な体験により、地域に息づく歴史や雰囲気、文化などの魅力も感じてほしいですね」(ふるさとワーキングホリデー担当者)

注文した食料などの日用品をドローンで中山間集落まで配送するサービス「ゆうあいマーケット」や、移動診療車とオンライン技術を使った遠隔医療、AIを使った自動車乗り合いタクシー事業など、近年、新産業技術を活用した地域課題解決にも積極的に取り組んでいる伊那市。そこは、森と共生するサスティナブルな暮らしと新しいテクノロジーが共存する、豊かな未来へのビジョンが息づくまちでもあります。